アクシアZERO 3

シリコロイXVI 鋼の高硬度と高耐食に加え、
高強度・高耐力のバランスに優れた
析出硬化系ステンレス

Shape

形状

鍛造材・圧延丸棒材

AXSIA-Zero3は従来のシリコロイXVI鋼の高硬度と高耐食に加え、高強度・高耐力のバランスに優れた析出硬化系ステンレスです。高ケイ素・極低炭素の成分系に加え、硬質な金属間化合物を析出、さらに金属間化合物の微調整をすることで新素材が誕生しました。

写真-AXSIA-Zero3-丸棒
写真-AXSIA-Zero3-フラットバー
顕微鏡組織(SEM)
AXSIA-Zero3(1000倍)
AXSIA-Zero3(1000倍)
*AXSIA-Zero3 は金属間化合物を微細・分散化
Silicolloy XVI(従来鋼、5000倍)

Mechanical Properties

機械的性質

機械的性質の一例

AXSIA-Zero3は56-58HRCという非常に高い硬度とオーステナイト系ステンレスに匹敵する高い耐食性、さらに2000 MPa級の高強度を示します。約480℃で析出硬化処理を行うことでこの硬度を得られるため、熱処理時の歪みや寸法変化が小さく、焼入れに伴う問題も回避できます。

No 材質 製法 熱処理記号 熱処理 引張強さ 0.2%耐力 伸び 絞り 硬度
HRC HV
固溶化熱処理 時効硬化熱処理 MPa MPa 試験力:500g 試験力:100g
01 AXSIA-Zero3 鍛造丸棒(φ20) ST 1050℃/WQ 1304 961 13.8 48.1 41.1 403.2 447.7
02 DAG 1050℃/WQ 200℃×2hr+460℃×12hr/AC 2089 2076 1.3 0.9 58.7 699.4 777.6
03 AG480 1050℃/WQ 480℃×8hr/AC 2144 2052 1.8 0.8 58.0 685.3 761.1
04 AG500 1050℃/WQ 500℃×8hr/AC 2093 2017 1.7 0.5 57.4 673.3 751.9
05 AG520 1050℃/WQ 520℃×8hr/AC 1973 1885 6.7 9.2 55.9 633.8 715.8
06 AG550 1050℃/WQ 550×8hr/AC 1781 1700 8.7 16.2 53.0 581.5 633.7
07 圧延丸棒(φ30) DAG 1050℃/WQ 200℃×2hr+460℃×12hr/AC 2067 1855 0.0 0.0 58.8 未測定 未測定
08 AG550 1050℃/WQ 550℃×8hr/AC 1807 1776 10.9 18.2 52.5 未測定 未測定
09 Silicolloy XVI 鍛造丸棒(φ20) DAG 1050℃/WQ 200℃×2hr+460℃×12hr/AC 1827 - 0.9 0.6 57.5 664.2 728.5
10 AG520 1050℃/WQ 520℃×8hr/AC 1936 1840 4.3 10.6 54.2 601.2 693.5
11 圧延丸棒(φ28) DAG 1050℃/WQ 200℃×2hr+460℃×12hr/AC 1320 - 0.8 0.0 57.6 未測定 未測定
12 AG480 1050℃/WQ 480℃×8hr/AC 1378 1317 0.7 0.0 56.8 未測定 未測定
13 AG520 1050℃/WQ 520℃×8hr/AC 1685 - 1.3 0.0 54.5 未測定 未測定
14 AG550 1050℃/WQ 550℃×8hr/AC 1700 1622 5.6 1.3 51.2 未測定 未測定

AXSIA-Zero3 は2000MPa 級の高強度を実現

機械的性質グラフ

Age Hardening Curve

時効硬化曲線

熱処理条件の調整で硬度・機械的性質を微調整

480℃で4時間時効処理を行うことで硬度はピークに達します。時効時間を短縮することで硬度を下げ、靱性を確保するなど、熱処理設計の自由度が高いことも特長です。

機械的性質グラフ

Corrosion Resistance

耐食性

塩水噴霧試験の一例

35℃人工海水に720時間浸漬しても顕著な腐食生成物は観察されず、オーステナイト系SUS316L相当以上の耐食性能を示します。

腐食試験後の外観

浸漬試験の一例

腐食試験後の外観